ブランド別に見る
大黒屋のフランチャイズ。費用と、親会社の決算資料。
大黒屋のフランチャイズは、物件取得費と内外装工事費を0円とするプランが特徴で、ロイヤリティは公式案内で「通常40万円」、指定の地域では月額11万円(税込)です。
一方で、全国向けプランの加盟金と契約期間は、公式サイトに書かれていません。
このページは、買取店の開業を考えていて、大黒屋をほかの本部と比べている方に向けて書いています。
公開されている数字と、親会社の決算資料に書かれていることを分けて整理します。
安場 達也古物査定の窓口 代表
買取業界歴15年以上。査定の現場から店舗の管理者、そして経営者まで、同じ道を順番に通ってきました。
北海道から沖縄まで、開業と店舗運営の支援実績があります。
大阪府公安委員会 古物商許可 第62229R076686号
公開 2026年10月8日
更新 2026年10月8日
先に結論安場さん
- 公式案内では物件取得費0円・内外装工事費0円のプランがあります
- ロイヤリティは通常40万円、指定の15道県だけ月額11万円(税込)と案内されています
- 全国向けプランの加盟金・契約期間は公開されていません。
説明会で書面をもらうまで比べられません
- 親会社の決算説明資料には、業界の市場環境として『店舗(特に買取店)はFC急増により飽和状態』と書かれています
公開されている費用と、されていない費用
大黒屋のフランチャイズを運営するのは、株式会社大黒屋です。
東京証券取引所スタンダード市場に上場する、大黒屋ホールディングスの連結子会社です。
加盟店募集の公式サイトを、2026年10月8日に確認しました。
物件取得費
0円(「大黒屋がお店を作るプラン」)公式FCサイト トップ
ロイヤリティ
通常40万円。
指定の地域に出す場合は月額11万円(税込)・加盟金0円公式FCサイト 地域向けページ。
40万円が税込か税別か、固定か変動かは書かれていません
11万円の対象地域
北海道(札幌市を除く)・青森・秋田・富山・福井・愛知・三重・岐阜・鳥取・島根・愛媛・香川・高知・山口・佐賀公式FCサイト プランのご紹介。
それ以外は「ファーストプラン」(全国)
広告協賛金
なし。
広告費の強制もなしと案内されています公式FCサイト プランのご紹介・開業までの流れ
研修
開業前に最大14日間。
そのあと店舗で4〜5日間のオープンサポート選ぶ研修内容で期間が変わる、と注記があります
契約期間・解約
公開されていませんよくある質問のページにも記載がありません

比較サイトの数字は、そのまま使わないでください。
たとえばある比較サイトは、加盟金0円・研修費55万円・ロイヤリティは粗利の38.5%と載せています(2023年9月調査と注記)。
いまの公式案内の「通常40万円」とは、計算の仕方からして違います。
比較サイトの数字は、調べた時期の条件のまま残っていることがあります。
比べるときの数字は、説明会で受け取る書面の数字だけにしてください。
なお公式サイトには、申し込みから開業まで最短で約2か月、推奨の広さは10坪、オーナー1人でも営業できると書かれています。
費用は、物件が決まって資金のめどが立ってから加盟契約を結ぶまで、かからないと案内されています。
ロイヤリティを3年で並べる
物件と内外装が0円でも、毎月の支払いは残ります。
比べるべきは入口の金額ではなく、続けている間に払う総額です。
ただし公式案内の「通常40万円」は、月額か、税込か、定額かが書かれていません。
ここでは仮に月40万円の定額だった場合として、36か月で単純に計算しました。
| | 月のロイヤリティ | ×36か月 |
| 通常(公式LPの表記) | 月40万円の定額だった場合(仮定) | 1,440万円 |
| 指定の15道県 | 11万円(税込) | 396万円 |
入口が0円なら、そのお金の扱いを確かめる
物件取得費と内外装工事費は、開業の大きな出費のひとつです。
それを本部が持つプランでは、そのお金が契約のどこに反映されているかを確かめておく必要があります。
見るところは、毎月のロイヤリティ、加盟金や研修費、そして物件を誰の名義で借りるかです。
仮に40万円が月の定額なら、指定地域との差は毎月29万円、3年で1,044万円。
入口の0円より、この差のほうが大きい数字になります。
これは悪い話とは限りません。
手元資金が少なくても始められる、ということでもあります。
ただ、「物件0円だから安い」とは言い切れないということです。
ほかの本部の毎月の支払いと並べると、こうなります。
数字はそれぞれの記事で整理した、公開情報の範囲です。
| 本部 | 毎月の支払い | 出どころ |
| 大黒屋 | 通常40万円(月額・税の扱いの記載なし)/指定地域は月額11万円(税込) | 公式FCサイト |
| おたからや | 約16.5〜38.5万円(プランで変わる) | 加盟案内 |
| 買取大吉 | 月20万円前後(税別)が目安 | 正式額は非公開 |
この計算に、家賃・人件費・仕入れ資金は入っていません。
買取店は、買った瞬間に現金が出ていきます。
売れて入金されるまでを回す現金を、毎月の支払いとは別に持っておく必要があります。
続けられるか。親会社の決算資料から
加盟を考えるときに確かめたいのは、看板の強さよりも続けられるかどうかです。
ここでは、親会社の大黒屋ホールディングスが公開している資料に書かれていることだけを並べます。
-
親会社の資料に「買取店は飽和状態」とある
2026年3月期の通期決算説明資料(19ページ)に、業界の市場環境として『店舗(特に買取店)はFC急増により飽和状態』『出店余地はわずかのため、慎重な検討が必要』と書かれています。
同じ資料では、買取専門店はFC展開で急に増え、1店舗あたりの買取件数・金額は減る傾向、とも説明されています。
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店舗型の買取店で、赤字の店が増えていると書いている
同じ資料で、店舗型の買取専門店は、固定費の負担と粗利率の低下で赤字の店舗が増える傾向、とされています。
お客様がWebや複数の店で相見積もりをする傾向が強い、とも書かれています。
大黒屋FCに限った話ではなく、業界全体についての記述です。
ただ、これから店を出す側にとっては、本部の側がこう見ていることは知っておきたい点です。
-
親会社(大黒屋ホールディングス)は2期続けて最終赤字
2026年3月期は、売上高114億72百万円、親会社株主に帰属する当期純損失20億53百万円。
前の期も最終赤字でした。
ただし今期の損失には、英国の孫会社を売却したことに伴う一時的な損失(12億78百万円)が含まれ、営業損失は9億4百万円から6億52百万円に縮小しています。
2025年12月には増資と借入金の借り換えを行い、次の期は当期純利益6億25百万円の黒字を見込んでいます。
決算短信には「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在」と書かれ、同時に「重要な不確実性は認められない」と会社は判断しています。
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売上の数字と、手元に残るお金は別物
公式の案内には、FC平均売上高1,200万円(時点・期間の記載なし)、平均月間売上高960万円(2021年・FC全店180店)といった数字が並びます。
買取店の売上は、買った品を売った金額です。
買い取りに払ったお金を引いた残りから、家賃・人件費・ロイヤリティが出ていきます。
一方で、公式に書かれている強みもはっきりあります。
創業40年以上の看板、金券・チケットも扱えること(先輩オーナーの声)、写真を送ると本部が査定と真贋を答える仕組み、偽物の買取補償。
偽物でなく値が付く品はすべて本部に売却でき、最短2営業日で現金化、直近5年の継続率は93.2%(いつ時点の5年かは記載なし)と案内されています。
つまり確かめるべきは、ブランドの強さではありません。
市場が混み合っている中で、毎月の支払いに耐えられるか、という話です。
説明会で必ず確認する5つ
公開されていない数字が多い本部ほど、説明会で聞くことが決まります。
次の5つは、口頭ではなく書面で受け取ってください。
| 加盟金と研修費 | 全国向けプランでいくらか。 研修費・開業パックは別か。 総額を1枚で出してもらう |
| ロイヤリティの中身 | 40万円は税込か税別か。 定額か、売上や粗利で変わるのか。 開業直後の月の扱い |
| 物件の名義 | 物件0円のとき、賃貸借契約は誰の名義か。 やめたあと、店と場所は誰のものになるか |
| 本部への売却 | 本部に売る義務があるか。 値段はどう決まるか。 ほかの売り先に出してよいか |
| 契約期間と解約 | 何年か。 中途解約金の計算式。 やめたあとの競業避止の期間と範囲 |
契約前の書面の交付が法律(中小小売商業振興法)で義務になっているのは、小売業・飲食業のフランチャイズです。
買取はサービス業にあたるため、この義務はありません。
加盟店数の推移や訴訟の有無などをまとめた書面を、任意で出している本部もあります。
もらえるか、説明会で聞いてみてください。
あわせて直近3年の閉店数と解約数を聞いてください。
継続率の93.2%が、何を分母にした数字かも確認しておくと安心です。
向いている人、見送ったほうがいい人
大黒屋のフランチャイズを否定するつもりはありません。
合う人には、はっきり合います。
| 向いている | 見送ったほうがいい |
・指定の15道県で出店できる
・物件探しと工事を本部に任せたい
・金券・チケットも扱える看板を使いたい
・買った品の売り先を自分で探したくない
|
・全国向けプランで、毎月の支払いが重い
・加盟金や契約の条件を書面で比べてから決めたい
・屋号を自分のものにしたい、物件を自分の名義で持ちたい
・売り先や値付けを自分で選びたい
|
どちらを選んでも、最後に差が出るのは目の前の一点が本物かどうかを見極める力です。
本部の査定サポートがあっても、お客様の前で判断するのは店の人です。
もうひとつの選択肢
加盟しないで始める、という道もあります。
フランチャイズが提供しているのは、大きく看板・研修・仕組みの3つです。
このうち研修だけを買って、看板と店は自分のものにするという形も成立します。
加盟する看板が最初から強い。
代わりに毎月の支払いと、やめるときの条件がつく
加盟しない看板はゼロから。
代わりに毎月の本部への支払いがなく、屋号も場所も自分のもの
加盟しない開業サポートを見る
5日間の研修で770,000円(税抜)。
加盟金もロイヤリティもありません
よくある質問
- 大黒屋のフランチャイズの費用はいくらですか。
- 公式サイトでは、物件取得費と内外装工事費を0円とするプランが案内されています。
ロイヤリティは公式の地域向けページで「通常40万円」、指定の地域では月額11万円(税込)と書かれています。
全国向けプランの加盟金・研修費・契約期間は公開されていないため、説明会で書面を受け取って確認してください。
- 大黒屋のフランチャイズの加盟金はいくらですか。
- 指定の15道県向けのプランは加盟金0円と案内されています。
全国向けのファーストプランの加盟金は、公式サイトに書かれていません。
比較サイトの金額はサイトによって違うため、本部の書面で確認してください。
- 大黒屋のロイヤリティはいくらですか。
- 公式の案内では、通常40万円かかるロイヤリティが、指定地域の出店では月額11万円(税込)とされています。
40万円が税込か税別か、定額か変動かは書かれていません。
仮に月40万円の定額だった場合、3年で1,440万円です。
11万円なら3年で396万円です。
- 大黒屋のフランチャイズを検討するとき、公開資料から何が分かりますか。
- 公開資料で確かめられることは3つあります。
親会社の決算説明資料に、業界の市場環境として『店舗(特に買取店)はFC急増により飽和状態』『出店余地はわずかのため、慎重な検討が必要』と書かれていること。
親会社が2期続けて最終赤字であること。
全国向けプランの加盟金と契約期間が公開されていないことです。
一方で、本部の査定サポートや売り先の用意などは公式に示されています。
- 大黒屋のフランチャイズの評判はどうですか。
- 公式サイトでは、直近5年の継続率93.2%、FC平均売上高1,200万円などが示されています。
どちらも、いつ時点の数字かは書かれていません。
一方で売上は利益ではなく、買い取りの原価・家賃・人件費・ロイヤリティを引いた残りが手元に残ります。
数字の分母と期間を、説明会で確認してください。
- 大黒屋のフランチャイズは未経験でも加盟できますか。
- 公式のよくある質問では、目利きや査定の経験を加盟条件にしていないと書かれています。
開業前に最大14日間の研修があり、開業後は写真を送ると本部が査定額と真贋を答える仕組みがあると案内されています。
※ 本記事は、2026年10月8日時点の公開情報にもとづきます。
出典:株式会社大黒屋 フランチャイズ加盟店募集サイト(fc.e-daikoku.com)のトップ・プランのご紹介・大黒屋の強み・開業までの流れ・よくあるご質問・企業情報・地域向けページ/大黒屋ホールディングス「2026年3月期 決算短信」(2026年5月15日)・「2026年3月期通期決算説明資料」(2026年5月18日)14ページ・19ページ。
ロイヤリティ11万円(税込)・「通常40万円」・平均月間売上高960万円は、公式FCサイトの地域向けページ(/lp_aichi/)の画像に書かれた文言です。
「通常40万円」は月額か・税込か・定額かが確認できないため、3年の合計は月40万円の定額だった場合の仮定として、月額が変わらないものとして単純計算したものです。加盟金・研修費・契約期間などの条件は公開されていないため、検討される際は、必ず本部が交付する最新の資料と契約書の案でご確認ください。