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開業の手続き

出張買取のクーリングオフ。
8日間は、転売できません。

お客様の家に伺って買い取る取引は訪問購入にあたり、特定商取引法がかかります。中でも重いのが買ってから8日間、その品を第三者に引き渡せないという点です。資金繰りに直接効きます。知らずに始めると事故になります。

先に結論
  • 出張買取は訪問購入にあたり、特定商取引法がかかります
  • お客様は8日間、無条件で契約を解除できます
  • その間、買った品を第三者に引き渡せません。市場にも出せません
  • お客様はその場で品物を渡さないと言うこともできます。これを告げる義務があります

どの取引が対象か

訪問購入とは、事業者が消費者の自宅などに出向いて 物品を買い取る取引です。呼び方は関係ありません。 出張買取、訪問買取、押し買い。やっていることが同じなら、同じ規制がかかります。

取引の形訪問購入にあたるか
お客様の家に伺って買うあたります。依頼を受けて伺った場合も同じです
店舗にお客様が持ち込むあたりません。店頭買取は対象外です
宅配で送ってもらって買うあたりません。訪問していないためです
催事の会場で買う訪問購入にはあたりませんが、古物営業法の場所の制限がかかります
事業者から買うあたりません。相手が消費者である場合の規制です
お客様から呼ばれた場合も対象です 「頼まれて行ったのだから押し買いではない」という理解は誤りです。 依頼を受けて伺った出張買取も、訪問購入にあたります。 店頭と宅配だけが対象外だと覚えてください。

現場でやるべき4つ

1 訪問の前に、依頼を受けておく 事業者から一方的に訪問して買い取ることは禁止されています(不招請勧誘の禁止)。 お客様からの依頼が先にあることが前提です。 なお、依頼を受けた品以外について勧誘することも制限されます。 金の依頼で伺って、バッグも売ってくださいと持ちかけるのは、この規制に触れます。
2 入る前に、名乗って目的を告げる 会社名、担当者名、買い取りに来たこと、そして買い取ろうとする物品の種類を 玄関で告げます。これは義務です。
3 契約書面を、その場で渡す 買い取ったら、その場で書面を交付します。 品名、金額、事業者の情報、そして クーリングオフができることと、その方法を記載します。 渡していなければ、8日間の起算が始まりません。
4 引渡しを拒める、と伝える ここが見落とされやすい点です。 お客様には、クーリングオフ期間中は品物を渡さないでおく権利があります。 事業者にはこれを告げる義務があります。 「今日は預からず、8日後に伺うこともできます」と言えるかどうかです。
お客様の家で品物を確認しているところ
玄関で名乗り、買い取る物の種類を告げる。ここから訪問購入の手続きが始まります。

8日間の転売禁止

実務上、最も重いのがこれです。

書面を交付した日から8日間、買い取った品を第三者に引き渡せません 古物市場に出すことも、業者に売ることもできません。 その品は、8日間こちらの手元で止まります。 クーリングオフされれば、代金を返して品物を戻します。

これが何を意味するか、資金の面で見ます。

店頭買取の場合 買った翌日に市場へ出せます。 数日で現金が戻るため、同じ資金を月に何度も回せます。
出張買取の場合 8日間は動かせません。 そこから市場に出して換金するので、 現金が戻るまで2週間前後を見る必要があります。

つまり出張買取を主軸にする場合、 店頭買取より多くの運転資金が要ります。 月に300万円ぶん買うなら、常時それに近い金額が 在庫として止まっている状態を前提に組んでください。

開業資金を計算するときに、この8日間を入れていない方が多くいます。 売上は立っているのに現金がないという状態は、ここからも生まれます。

対象から外れる品目

すべての品が訪問購入の対象になるわけではありません。 政令で除外されている品目があります。

除外されているもの理由
自動車(二輪を除く)別の取引慣行が確立しているため
大型の家電持ち去りが容易でないため
家具同上
書籍・CD・DVD・ゲームソフト単価が低く、取引が定型的であるため
有価証券別の法令で規律されるため
貴金属、ブランド品、時計は除外されていません 買取業でよく扱う品は、ほぼすべて対象です。 「うちは小さい物しか買わないから関係ない」という理解は逆で、 小さくて価値の高い物こそ、この規制の中心にあります。 押し買いの被害が多かった品目だからです。

実際の運用

守るためにやることは、実は多くありません。

そして、これは規制の話であると同時に、 信用の話でもあります。

押し買いの被害が社会問題になったからこの法律ができました。 つまりお客様の側には、 家に来る買取業者への警戒が最初からあります。

玄関で名乗り、書面を渡し、8日間は考え直せますと伝える。 これをきちんとやる業者は、それだけで他と区別されます。 面倒な義務としてではなく、信用を作る手順として使ってください。 出張買取は紹介が最も起きやすい形です。 その紹介は、金額より先に「安心して任せられた」という記憶から生まれます。

よくある質問

出張買取にクーリングオフはありますか。
あります。出張買取は特定商取引法の訪問購入にあたり、消費者は契約書面を受け取った日から8日間、無条件で契約を解除できます。お客様から依頼を受けて伺った場合も対象です。対象外になるのは店頭買取と宅配買取だけです。
クーリングオフ期間中に買い取った品を売れますか。
売れません。書面を交付した日から8日間は、買い取った品を第三者に引き渡すことが禁止されています。古物市場に出すことも業者に売ることもできず、その品は8日間手元で止まります。出張買取を主軸にする場合、店頭買取より多くの運転資金が必要になります。
お客様から依頼を受けて伺った場合も対象ですか。
対象です。頼まれて行ったのだから押し買いではないという理解は誤りで、依頼を受けた出張買取も訪問購入にあたります。なお、依頼を受けた品以外について勧誘することも制限されるため、金の依頼で伺ってバッグも売ってくださいと持ちかけるのは規制に触れます。
現場で何をすればいいですか。
訪問前に依頼を受けておくこと、玄関で社名と担当者名と買い取りに来たことと買い取る物品の種類を告げること、買い取ったらその場で契約書面を交付すること、そしてクーリングオフ期間中は品物を渡さないでおく権利があることを伝えることの4つです。書面を渡していなければ8日間の起算が始まりません。
訪問購入の対象外になる品物はありますか。
自動車の四輪、大型の家電、家具、書籍やCDやDVDやゲームソフト、有価証券などが政令で除外されています。ただし貴金属、ブランド品、時計は除外されていません。買取業でよく扱う品はほぼすべて対象で、小さくて価値の高い物こそこの規制の中心にあります。
8日間の在庫はどう管理すればいいですか。
通常の在庫と物理的に分けて保管してください。混ざると、うっかり市場に出してしまう事故が起きます。あわせて古物台帳に買取日と8日目を併記しておくと、いつから動かしてよいかが一目で分かります。
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この記事は2026年9月時点の特定商取引法および同法施行令の内容をもとに書いています。除外される品目や運用は改正される場合があります。実際の運用にあたっては消費者庁の案内および専門家にご確認ください。

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