真贋の見方
ダイヤモンドの本物と偽物。
テスターが答えてくれない部分。
ダイヤテスターは数千円で買えます。
ただしあの道具が答えているのは「ダイヤかどうか」の一部分だけです。
現場でいちばん怖いのは、テスターが本物と表示してしまうものです。
公開日:2026年8月15日 / 最終更新日:2026年8月15日
先に結論
- ダイヤテスターが見ているのは熱の伝わり方です。成分を調べているわけではありません
- モアッサナイトは本物と表示されます。専用のテスターを併用してください
- いま最大のリスクは合成ダイヤ。見た目でも通常のテスターでも判別できません
- 大粒で鑑定書のない石は、買わないという判断が正解のことがあります
テスターは何を見ているのか
一般的なダイヤテスターは、石にどれだけ速く熱が伝わるかを測っています。
ダイヤモンドは熱の伝わり方が非常に速く、そこを判定に使っています。
つまり、答えているのは「熱の伝わり方がダイヤと同じか」であって、
「天然のダイヤかどうか」ではありません。
ここが出発点です。
テスターで分かること
- ガラス、キュービックジルコニアなどの模造品
- 小粒(メレ)の一次判定
- まとめて確認するときの効率
テスターで分からないこと
- モアッサナイト(本物と表示されます)
- 合成ダイヤ(成分は天然と同じです)
- 処理石、カラーやクラリティの等級
モアッサナイトという落とし穴
モアッサナイトは炭化ケイ素の人工石です。
熱の伝わり方がダイヤに近く、通常のテスターでは本物と表示されます。
見た目も、慣れないうちは区別がつきません。
対策は決まっています。
モアッサナイト判定機能のあるテスターを使うことです。
電気の通りやすさで区別する仕組みで、2種類が一体になった機種も出ています。
値段の差は小さいので、最初から兼用のものを買ってください。
安いダイヤテスターを1つだけ買うのが、いちばん危ない選び方です。
本物と表示されたことを根拠に買ってしまうためです。
道具は、何が分からないかを知って使うものです。
合成ダイヤが、いちばん怖い
ラボグロウンダイヤモンド
人工的に作られたダイヤで、成分も結晶構造も天然と同じです。
だから熱も電気も同じように通り、テスターでは絶対に区別できません。
価格は天然の数分の1から、それ以下です。
天然として仕入れて合成だと分かれば、差額がそのまま損失になります。
判別には専用の検査機か、鑑別機関への依頼が必要です。
現場で目視だけで見抜こうとしないでください。
合成ダイヤは年々流通量が増えています。
指輪として市場に出回っているものも珍しくありません。
この10年で最も大きく変わった部分だと考えています。
鑑定書の見方
大粒の石には鑑定書(グレーディングレポート)が付いていることがあります。
ただし、発行元によって重みが違います。
| 見るところ | 確かめること |
| 発行機関 | 国際的に通用する機関か。聞いたことのない発行元は、内容を鵜呑みにしません |
| 石と書類の一致 | カラット、寸法、蛍光性。別の石の鑑定書が付いていることがあります |
| 天然か合成かの記載 | 合成の場合は明記されます。記載欄そのものを確認してください |
| 発行年 | 古い鑑定書は、いまの基準と評価が違うことがあります |
現場での線引き
開業したての段階では、石そのもので勝負しないほうが安全です。
| 品物 | 現場での扱い |
| メレダイヤ(小粒)付きの指輪 | 地金の価値で計算します。石は基本的に加点しません |
| 0.3ct以上・鑑定書あり | 書類と石を照合したうえで、相場から計算します |
| 大粒・鑑定書なし | いちばん危ない組み合わせです。預かって鑑別に出すか、買わない |
断るのは損に見えますが、合成ダイヤを天然の値段で買う損失のほうが、はるかに大きいです。
判断がつかないときは買わない。
これは、続けるための基本です。
古物査定の窓口について
道具は買えます。使いどころは、教わったほうが早いです。
テスターもルーペも、通販で手に入ります。
難しいのは、何が分からない道具なのかを知ったうえで、買う・買わないを決めることです。
独学で始める場合
道具の限界は、間違えて初めて分かります。合成ダイヤ1点で数十万円が飛びます
研修を受ける場合
本物・模造品・合成を並べて手に取りながら5日間。買わない基準の作り方まで
開業サポートの中身を見る
加盟金もロイヤリティもありません。
5日間の研修と、その中身
よくある質問
- ダイヤテスターがあれば真贋は判断できますか。
- できません。
テスターが見ているのは熱の伝わり方で、ガラスやキュービックジルコニアは落とせますが、モアッサナイトは本物と表示され、合成ダイヤは天然と同じ結果になります。
テスターは一次判定の道具です。
- モアッサナイトはどう見分けますか。
- モアッサナイト判定機能のあるテスターを使います。
電気の通りやすさの違いで区別する仕組みです。
ダイヤ判定と一体になった機種があるので、最初から兼用のものを選んでください。
- 合成ダイヤは目で見て分かりますか。
- 分かりません。
成分も結晶構造も天然と同じなので、外観でも通常のテスターでも判別できません。
判別には専用の検査機か、鑑別機関への依頼が必要です。
- 鑑定書があれば安心して買えますか。
- 発行機関を確認してください。
また、鑑定書に書かれたカラット・寸法・蛍光性が、目の前の石と一致しているかを必ず照合します。
別の石の鑑定書が付いていることがあります。
- 石の価値はどう計算しますか。
- 小粒(メレ)は地金の価値で計算し、石は基本的に加点しません。
0.3ct以上で鑑定書があるものは、グレードごとの相場から計算します。
大粒で鑑定書がないものは、鑑別に出すか、買わない判断をおすすめします。
古物査定の窓口の開業サポート
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道具は通販で買えます。むずかしいのは、その道具が何を答えていないかを知ることです。本物と模造品と合成を並べて、5日間で身につけます。
- 大阪で5日間。本物と偽物を手に取りながら、真贋の見方から店を開けるところまで
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この記事は2026年8月時点の一般的な実務をもとに書いています。
測定機器の性能や合成石の流通状況は変わるため、特定の判別方法を保証するものではありません。
高額な石の判断は、鑑別機関での検査をおすすめします。