開業の手続き
買取店の開業。順番を間違えると、開けてから止まります。
許可を取り、場所を借り、看板を出す。ここまでは、たいていの人が進められます。止まるのはその先です。お客様が品物を出したときに値段が言えない、買えても売り先がない。この2つで動かなくなります。順番を並べ直しました。
安場 達也古物査定の窓口 代表
買取業界歴15年以上。査定の現場から店舗の管理者、そして経営者まで、同じ道を順番に通ってきました。
北海道から沖縄まで、開業と店舗運営の支援実績があります。
大阪府公安委員会 古物商許可 第62229R076686号
公開 2026年9月8日
更新 2026年10月21日

佐藤さん(開業を検討中)買取店を開業するには、何から順番に進めればいいですか?
先に結論安場さん
- 買取店の開業は、古物商許可の申請(手数料19,000円・審査は約40日)を一番先に出し、待つ間に査定と売り先を固める順番です。
開業時の費用の目安は自宅なら約37〜122万円、テナントなら約207〜667万円(どちらも運転資金を除く)。
路面店を構え、仕入れ資金と運転資金まで含めた総額は約1,000〜1,500万円が目安です(当社の見立て)
- 開業までの実務は許可・場所・資金・売り先・査定の5つです
- 多くの人が許可と場所から始めて、査定を最後に回します。
逆です
- 開けてから止まる原因は値段が言えないことと売り先がないことの2つだけです
- 融資・古物商許可・物件・集客の仕組みには、それぞれ落とし穴があります。
物件が決まらないと、融資も許可も進めにくいため、3つは並行して進めます
- 許可は約40日かかります。
待っている間に査定を身につけるのが最短です
開業までの5つと、正しい順番
買取店の開業は、古物商許可を一番先に申請し、許可を待つ間に査定と売り先を固めるのが正しい順番です。
必要な実務は、整理すると5つしかありません。
問題は数ではなく順番です。
-
古物商許可を申請する
管轄の警察署に出します。
手数料19,000円、審査に約40日。
これがないと買えません。
申請は一番先に出します。
待ち時間が長いので、後回しにすると全体が遅れます。
-
査定ができるようにする
ここが本体です。
お客様が出した一点に、自分で値段を言えるかどうか。
許可を待っている40日は、ここに使うための時間です。
-
売り先を決める
買った品をどこで換金するか。
古物市場、業者間の取引、ネット販売。
売り先が決まっていないと、いくらで買えばいいかも決まりません。
-
営業所を決める
自宅、テナント、間借り。
許可申請に営業所の情報が要るので、
場所は申請までに決めます。
ただし最初から広い店は要りません。
-
集客を始める
チラシ、地図アプリへの登録、紹介。
ここは開けてからでも回せます。
ただし査定ができていないと、来ても買えません。
多くの方は1と4から始めて、2と3を「やりながら覚える」と考えます。
それでも進むのですが、お客様の品物で練習することになります。
安く買えば信用を失い、高く買えば赤字が出ます。
どちらも取り返すのに時間がかかります。
開業の準備で一番時間がかかるのは、手続きではなく、この判断です。
融資・許可・物件・集客、それぞれの落とし穴
開業の手続きは、融資・古物商許可・物件・集客の仕組みの4つにそれぞれ落とし穴があり、しかも互いにつながっています。
いちばん多いのは、1つずつ順番に片付けようとして、どこかで全部が止まる形です。
たとえば物件です。
日本政策金融公庫は、出店地が決まっていないと創業計画が固まらないため、出店地を決めてから申し込んでほしいと案内しています。
古物商許可も、営業所の場所が決まらないと申請できません。
一方で、物件の契約には資金が要ります。
物件・融資・許可は、候補を決めた段階で並行して動かすのが現実的な進め方です。
| 手順 | よくある落とし穴 | 先に打つ手 |
| 融資 | 自己資金が少ないまま申し込む。 出店地が決まらず、計画が固まらない | 自分で出せるお金を先に決める。 公庫の調査では、創業資金に占める自己資金は平均で2割程度。 申し込みから決定までは平均3週間程度(条件によってはもっとかかる) |
| 古物商許可 | 書類の不備で警察と何度もやりとりになり、審査に入るのが遅れる | 書類を作る前に、管轄の警察署へ相談に行く。やりとりになりやすい所を先に押さえる |
| 物件 | 自分では良いと思った場所が、買取に向かない。 契約してから、営業所として使えないと分かる | 契約の前に、貸主の使用承諾がもらえるかを確かめる。 候補は、買取の店を見てきた人にも見てもらう |
| 集客の仕組み | 開けてから考える。 チラシも、ホームページも、SNSも、反応が出るまでに時間がかかる | 許可を待つ間に、チラシの原稿、ホームページ、SNS、知り合いへの声かけを用意しておく |
4つの中で、開けてからいちばん効いてくるのは集客です。
品物を集められるかどうかが、中古の商売の最初の関門だからです。
紙のチラシを出す、知り合いに紹介してもらう、ホームページを作る、SNSを使う。
どれも、開けた日から急に反応が出るものではありません。
許可を待つ期間は、査定を身につける時間であると同時に、集客の仕組みを作っておく時間でもあります。
古物査定の窓口の開業ロードマップ。
オープンの90日前から、やることを順番に並べています(一部をぼかしています)。
いくらかかるか
買取店の開業費用の目安は、自宅で始めるなら約37〜122万円、テナントを借りるなら約207〜667万円です。
これは開業時に出ていくお金の目安で、開業後の運転資金は含みません。
開業の形によって桁が変わります。
よくある2つの形で並べます。
項目自宅で始めるテナントを借りる
古物商許可19,000円19,000円
必要書類の取得1,000円前後1,000円前後
物件の初期費用0円50〜150万円
内装・什器0〜5万円50〜200万円
道具一式5〜15万円5〜15万円
最初の仕入資金30〜100万円100〜300万円
合計の目安(運転資金を除く)約37〜122万円約207〜667万円
店舗で開く場合の総額は、仕入れ資金と運転資金まで含めて約1,000〜1,500万円が目安です(当社の見立て)。
上の表は、看板・広告を含まない最小の形です。
30平米ほどの路面店で、看板・広告まで入れた開業費用は約280〜740万円。
これに、仕入れ資金(買い取るための現金と在庫)約240〜280万円と、運転資金(家賃・人件費・広告費など毎月の費用の6か月ぶん)約480万円を足した額です。
内訳は買取店の開業資金の記事に置いています。
自宅で始める場合も、店の費用は小さくなりますが、買い続けるための現金と、売れるまで持つ在庫のお金は、表の最初の仕入資金とは別に要ります。
道具一式とは、ルーペ、天びん、比重計、貴金属の試金石か検査機、
マグネット、メジャー、ライトなどです。
いきなり高価な検査機を買う必要はありません。

仕入資金を軽く見ないでください
買取業は、先にお金を出して品物を持ち、あとで換金する商売です。
売れるまでの間、その分の現金は寝ています。
売上が立っていても現金が足りない、という状態はここで起きます。
開業時にいくら用意するかより、いくらまで在庫を持つかを先に決めてください。
開けてから止まる2つの理由
開けてから止まる理由は、値段が言えないことと、売り先がないことの2つです。
①値段が言えない
お客様が品物を出す。
分からないので調べる。
調べても確信が持てない。
安全側に振って安く言う。
お客様は帰ります。
これが続くと、来店があるのに買取が立たない状態になります。
②売り先がない
買えたけれど、どこに出せばいくらになるか分からない。
結果、いくらで買えばいいかも決められません。
売り先の相場が、買値の上限を決めています。
ここが空だと、買値はいつまでも勘のままです。
この2つは、集客では解決しません。
むしろ集客がうまくいくほど、機会を落とす回数が増えます。
チラシに費用をかけて電話が鳴り、伺って、値段が言えずに帰る。
これが一番もったいない形です。
許可を待つ40日で何をするか
許可を待つ約40日は、貴金属から査定を身につける時間に使います。
申請から許可が下りるまでの標準処理期間は40日です(土日祝日を数えない都道府県もあります)。
この期間は買えませんが、買えないだけで、学べます。
優先順位をつけるなら、貴金属からです。
理由は3つあります。
- 相場が公開されているため、売り先の値段が読めます
- 刻印と比重で本物かどうかを確かめられるため、判断の根拠がはっきりしています
- どの現場でも出るため、覚えた分がそのまま回数になります
ブランド品や時計は、扱う金額が大きい代わりに、
偽物の精度も年々上がっています。
貴金属で買取の型を作ってから広げるほうが、事故が少なく進みます。
よくある質問
- 買取店の開業に資格は必要ですか。
- 資格は必要ありません。
必要なのは古物商許可という行政の許可で、試験はなく、書類審査だけです。
逆に言えば、査定の技術は許可では担保されません。
許可があっても値段がつけられないと買取は成立しないため、実務としての査定は別に身につける必要があります。
- 開業までにどれくらいの期間がかかりますか。
- 古物商許可の審査に標準で約40日かかります。
書類を揃える時間を含めると、申請の準備から営業開始まで2〜3ヶ月を見ておくと安全です。
物件を借りる場合は、契約や内装の期間も加わります。
- 最低いくらあれば始められますか。
- 自宅を営業所にして貴金属から始める形であれば、許可の費用と道具で約7〜17万円、最初の仕入資金を含めて約37万円からです。
ただし、買い続けるための現金と在庫のお金は別に要ります。
テナントを借りて店舗を構えると開業時だけで約207万円以上、路面店で仕入れ資金と運転資金まで含めた総額は約1,000〜1,500万円が目安です(当社の見立て)。
まず小さく始めて、買取が回るようになってから店舗を出す順番が、現金の面では安全です。
- 在庫を持たずに始める方法はありますか。
- 買ったその日のうちに売り先へ流す運用にすれば、在庫の滞留はかなり抑えられます。
貴金属は相場が公開されており換金も早いため、この形が取りやすい商材です。
一方でブランド品や時計は売れるまでに時間がかかるため、資金に余裕がない段階では扱う量を絞ってください。
- 一人でも運営できますか。
- できます。
実際に一人で運営している買取店は多くあります。
ただし出張買取に出ている間は店を空けることになるため、店舗型と出張型のどちらを主軸にするかは最初に決めてください。
一人であるほど、買える商材の幅がそのまま売上の上限になります。
- 融資を受けるのに、自己資金はいくら必要ですか。
- 日本政策金融公庫は、自己資金は重要な要素のひとつだが、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかが大事だと案内しています。
目安として、公庫の調査では創業資金総額に占める自己資金の割合は平均で2割程度です。
出店地が決まっていないと計画が固まらないため、出店地を決めてから申し込みます。
- フランチャイズに加盟したほうが早いですか。
- 早くなる部分と、そうでない部分があります。
看板と仕組みは手に入りますが、加盟金とロイヤリティが固定費として乗ります。
まず自分で査定ができるかどうかを確かめてから判断しても遅くありません。
判断の材料として、買取が自分に向いているかを先に確認することをおすすめします。
開業ロードマップ(無料)
開けるまでの順番を、
工程表で受け取る。
手続きは調べれば進みます。
進まないのは、目の前の一点に値をつけるところです。
許可を待つ40日を、ここに使ってください。
5日間でその型をお渡しします。
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オープン90日前〜当日の工程表・許可の後の30日・売り先の早見表。
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- 大阪で5日間。本物と偽物の見分け方から、店を開けるまで
- 価格は770,000円(税抜)
- 同じお店から2人目以降の受講は、お1人につき+220,000円(税抜)。面談のうえ、お受けするかを決めます
お電話でも受け付けています050-1725-9868
この記事は2026年9月時点の古物営業法および実務をもとに書いています。古物商許可の申請手数料19,000円と審査期間の目安(約40日)は、警視庁など各都道府県警察の案内によります。合計の目安は、表の各項目の下限と上限を足した額です。店舗で開く場合の運転資金を含めた総額(約1,000〜1,500万円)は、当社の見立てによる目安です。費用の目安は当社および提携店の実例によるもので、地域や条件により変わります。許可の手続きは管轄の警察署にご確認ください。融資の自己資金の割合・出店地・審査期間は、日本政策金融公庫「よくあるご質問」によります(2026年10月確認)。