集客と運営
催事買取とは。
できる形と、できない形があります。
公民館やスーパーの一角を数日だけ借りて買取をする。店を持たずに始められるため参入が多い形ですが、古物営業法の上でできないことがあります。そこを知らずに始めると、行政処分の対象になります。整理しました。
安場 達也古物査定の窓口 代表
買取業界歴15年以上。査定の現場から店舗の管理者、そして経営者まで、同じ道を順番に通ってきました。
北海道から沖縄まで、開業と店舗運営の支援実績があります。
大阪府公安委員会 古物商許可 第62229R076686号
公開 2026年9月8日
更新 2026年9月8日
先に結論
- 催事買取は店を持たずに始められる形です。集客の即効性があります
- ただし公園や駐車場のような仮設の場所での買取は認められません
- 継続して同じ場所で行うなら、営業所として届け出る必要が出ます
- 採算の分かれ目は会場費より、1日に何人来るかです
催事買取とは何か
公民館、スーパーの催事スペース、ホテルの一室などを
数日から1週間ほど借りて買取を行う形です。
店舗を持たずに始められるため、参入する事業者が増えています。
利点は3つあります。
固定費が要らない
会場は使う日だけ借ります。
家賃も内装費もかかりません。
買取が回るかどうかを、少ない費用で試せます。
集客が読みやすい
期間限定であることがそのまま理由になります。
チラシを撒く日と、開催日を合わせられるため、
店舗より反応の測定がしやすい形です。
一方で、法律上の制約がここに集中します。
古物営業法の壁
営業所の外で古物を取引することを行商といいます。
催事買取はこれにあたるため、
許可申請で行商をすると届け出ている必要があります。
ただし、行商であればどこでも買えるわけではありません。
ここが最も誤解されている点です。
場所買取ができるか
相手方の住居できます。出張買取がこれにあたります
自分の営業所できます。届け出た場所です
古物市場できます。許可を受けた市場です
公園・駐車場・路上できません。仮設の場所での買取は認められていません
公民館・ホテルの一室扱いが分かれます。下に書きます
ここを必ず、事前に警察署へ確認してください
公民館やホテルの一室を借りて買取をする形については、
都道府県によって指導が異なります。
認められる場合もあれば、
継続して行うなら営業所として届け出るよう指導される場合もあります。
「近くまで来たので」という形の路上や駐車場での買取は、
どの地域でも認められません。
判断の分かれ目は、継続性です。
月に一度、同じ公民館で開催を続けているような場合、
実質的にその場所を営業の拠点として使っていると見られます。
その場合は営業所の追加として変更届を出すことになります。
変更届を出せば済む話なので、隠す必要はありません。
始める前に、開催の頻度と場所を持って相談してください。
費用と採算
3日間の開催を例に、数字を置きます。
項目金額
会場費(3日)30,000円
折込チラシ 2万部
印刷込み1枚10円200,000円
人件費(2名×3日)60,000円
什器・のぼり等20,000円
合計310,000円
1件あたりの粗利を2万円とすると、
16件で収支ゼロです。3日間で16件。
1日あたり5件を超える来場が必要になります。
採算を決めているのは会場費ではありません
会場費は3万円、全体の1割です。
効いているのはチラシ費用と、1件あたりの粗利です。
会場を安く借りることに時間をかけるより、
来た方から何を買えるかのほうが結果を左右します。
1件2万円が3万円になれば、必要な件数は16件から11件に下がります。
会場では持ち帰って調べられません。その場で言い切れる範囲がそのまま売上です。
向いている人、向いていない人
催事買取には、はっきりした向き不向きがあります。
向いている
その場で値段を言い切れる人。
会場では持ち帰って調べることができません。
お客様は目の前で待っています。
判断できる商材が多いほど、この形は強くなります。
向いていない
調べながら査定する人。
会場に列ができると、1人に時間をかけられません。
調べている間に、次の方が帰ります。
店舗なら成立する進め方が、ここでは通用しません。
そしてもう一点。
催事買取はリピートが起きにくい形です。
店舗と違い、次に来ていただく場所がありません。
だから同じ1件でも、その日にどれだけ買えるかがすべてになります。
店舗なら「今回は金だけ、次はバッグを」という積み重ねができますが、
催事にはそれがありません。
これを踏まえると、催事買取は
買取の判断が広い人ほど成立し、狭い人ほど赤字になる形だと分かります。
固定費がかからないので始めやすいのですが、
始めやすさと、続けやすさは別です。
まず自分が言い切れる商材を数えてから、開催の判断をしてください。
よくある質問
- 催事買取をするのに特別な許可は必要ですか。
- 新しい許可は必要ありませんが、古物商許可の申請時に行商をすると届け出ている必要があります。営業所の外で取引することを行商といい、催事買取はこれにあたります。届け出ていない場合は変更届で追加でき、許可の取り直しは不要です。
- 公園や駐車場で買取をしてもいいですか。
- できません。行商として認められるのは相手方の住居など限られた場所で、公園、駐車場、路上といった仮設の場所での買取は認められていません。近くまで来たので車で、という形は行政処分の対象になり得ます。
- 公民館やホテルの一室での買取はできますか。
- 扱いが都道府県によって分かれます。認められる場合もあれば、継続して行うなら営業所として届け出るよう指導される場合もあります。月に一度同じ場所で開催を続けるような形は、実質的な営業の拠点と見られることがあります。開催の頻度と場所を持って、事前に管轄の警察署へ相談してください。
- 催事買取の採算はどう計算しますか。
- 3日間の開催で会場費3万円、折込チラシ2万部で20万円、人件費6万円、什器等2万円として合計31万円が目安です。チラシは印刷と折込を合わせて1枚10円で見ています。1件あたりの粗利が2万円なら16件で収支ゼロ、1日あたり5件を超える来場が必要になります。採算を決めているのは会場費ではなく、チラシ費用と1件あたりの粗利です。
- 催事買取に向いているのはどんな人ですか。
- その場で値段を言い切れる人です。会場では持ち帰って調べることができず、列ができると1人に時間をかけられません。調べながら査定する進め方は、店舗では成立しても催事では通用しません。判断できる商材が多いほど、この形は強くなります。
- 催事買取と店舗はどちらがいいですか。
- 催事は固定費がかからず始めやすい一方、リピートが起きにくい形です。次に来ていただく場所がないため、その日に買えた分がすべてになります。店舗であれば今回は金だけ、次はバッグをという積み重ねができます。始めやすさと続けやすさは別なので、自分が言い切れる商材の数を先に確認してください。
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会場では持ち帰って調べられません。その場で言い切れる範囲が、そのまま売上です。5日間で、その範囲を広げます。
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この記事は2026年9月時点の古物営業法の内容および当社の実務をもとに書いています。仮設の場所での取引に関する運用は都道府県によって異なります。実際の開催にあたっては管轄の警察署にご確認ください。