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本物と偽物

偽物を買ってしまったら。
損をするのは、買った店です。

偽物を買い取ってしまった場合、その損は原則として買った側が負います。売り主に返金を求められる場合もありますが、連絡がつかなければそれまでです。市場での差し戻し、盗品だった場合の扱い、そして事故を減らす記録の残し方を書きました。

先に結論
  • 偽物を買った損は、原則として買った店が負います
  • 売り主に返金を求めることはできますが、連絡がつかなければ回収できません
  • 古物市場に出して発覚した場合は差し戻しになり、自分の在庫に戻ります
  • 盗品と分かった場合は警察へ届け出ます。隠すと立場が変わります

誰が損を負うのか

買い取った品が偽物だと分かった場合、 まず自分の在庫が価値を失います。 50万円で買っていれば、50万円の損です。

売り主に対しては、返金を求めることが考えられます。 ただし、現実には次のような壁があります。

状況回収できるか
売り主が偽物と知らなかった相続や譲り受けで、本人も本物だと思っていた場合。話し合いになりますが、応じてもらえないことも多くあります
売り主が偽物と知っていた詐欺にあたる可能性があります。ただしそういう相手は連絡がつかなくなります
本人確認をしていなかった回収は事実上不可能です。誰に払ったのかを証明できません
ここで本人確認の意味が変わります 古物営業法の本人確認は、法律上の義務として説明されます。 しかし実務では、偽物や盗品を買ったときに追える唯一の手段です。 氏名、住所、生年月日、職業。この4つが残っていなければ、損は確定します。 面倒な手続きではなく、自分を守る記録として運用してください。

市場での差し戻し

買った品を古物市場に出したあとで偽物と判明した場合、 多くの市場では差し戻しという扱いになります。

1 落札者または市場から連絡が入る 落札後の検品で発覚することが多く、 市場ごとに申し出の期限が決まっています。 期限内であれば、取引が取り消されます。
2 品物が戻り、売上金が取り消される 自分の在庫に戻ります。 入っていたはずのお金は入りません。 手数料の扱いは市場によって異なります。
3 繰り返すと、市場での信用に影響します ここが本当の損失です。 差し戻しが続く出品者は、 市場での扱いや評価が変わります。 金額以上に、取り返すのに時間がかかります。

つまり、偽物を買うことの損失は その一点の金額だけではありません。 売り先での信用が減ることが、長期的にはより大きく効きます。

同じモデルの品を並べて本物と偽物を比較しているところ
差し戻しを受ける前に、手元で気づけるかどうかがすべてです。

盗品だった場合

偽物より重いのが、こちらです。 買い取った品が盗品だった場合、扱いがまったく変わります。

古物営業法には、盗品の疑いがあると認めるときは、 直ちに警察官に申告するという規定があります。 これは義務です。

黙って処分すると、立場が変わります 疑いを持ちながら申告せずに転売した場合、 盗品の流通に関わったと見られる可能性があります。 古物商は、盗品の流通を防ぐために許可制になっている業種です。 気づいた時点で申告することが、自分を守る唯一の方法です。

また、盗品と判明した場合、 被害者から返還を求められることがあります。 その際、買い取った代金が戻るとは限りません。 古物商は盗品であっても、条件によっては無償で返還する立場に置かれます。

だからこそ、買う前に断る判断が重要になります。 次のような場合は、買わないほうが安全です。

事故を減らす記録

完全に防ぐことはできません。 できるのは、起きたときに追えるようにしておくことと、 起きる確率を下げることです。

最後は、判断の精度に戻ります 返金の交渉も、差し戻しの手続きも、 すべて買ってしまったあとの話です。 本当に効くのは、手に取った時点で違和感に気づけるかどうかだけです。 いまの偽物は写真では見分けがつきません。 重さ、金具の動き、革の張り。 本物を触った回数が、そのまま損失を減らします。

よくある質問

買い取った品が偽物だった場合、誰が損を負いますか。
原則として買い取った店です。売り主に返金を求めることは考えられますが、本人確認の記録がなければ誰に払ったかを証明できず、回収は事実上不可能になります。古物営業法の本人確認は、法律上の義務であると同時に、事故が起きたときに追える唯一の手段です。
古物市場で偽物と分かったらどうなりますか。
多くの市場では差し戻しという扱いになり、品物が自分の在庫に戻り、売上金は取り消されます。市場ごとに申し出の期限が定められています。金額の損失以上に問題なのは、差し戻しが続くと市場での信用に影響することです。
盗品を買ってしまった場合はどうすればいいですか。
古物営業法では、盗品の疑いがあると認めるときは直ちに警察官に申告する義務が定められています。疑いを持ちながら申告せずに転売すると、盗品の流通に関わったと見られる可能性があります。気づいた時点で申告することが、自分を守る方法です。
盗品だった場合、支払った代金は戻りますか。
戻るとは限りません。盗品と判明した場合、被害者から返還を求められることがあり、古物商は条件によっては無償で返還する立場に置かれます。だからこそ、買う前に断る判断が重要になります。
どういう場合に買うのをやめるべきですか。
身分証の提示を渋る、同じ品を何度も持ち込む、品物と本人が釣り合わない、金額より速さを優先して急いで現金化したがる。この4つのいずれかがあれば、買わないほうが安全です。買わなかったことで失うのは1件の粗利ですが、買ってしまえば金額と信用の両方を失います。
偽物を買う事故を減らすにはどうすればいいですか。
買取のたびに品物の写真を残すこと、身分証を必ず確認すること、迷ったら買わないこと、判断できない商材を扱わないことの4つです。ただし本当に効くのは、手に取った時点で違和感に気づけるかどうかです。いまの偽物は写真では見分けがつかないため、本物を触った回数がそのまま損失を減らします。
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この記事は2026年9月時点の古物営業法および民法の一般的な取扱いをもとに書いています。差し戻しの条件や期限は市場によって異なります。実際の対応にあたっては管轄の警察署および専門家にご確認ください。

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