他業種からの参入
車買取業者が、貴金属も買う。
許可はもう持っています。
車を売るお客様は、ほとんどの場合、生活の節目にいます。乗り換え、引っ越し、免許の返納、相続。その場に、車以外の物も出ています。古物商許可はすでにお持ちです。足りないのは、車以外に値をつけられることだけです。
安場 達也古物査定の窓口 代表
買取業界歴15年以上。査定の現場から店舗の管理者、そして経営者まで、同じ道を順番に通ってきました。
北海道から沖縄まで、開業と店舗運営の支援実績があります。
大阪府公安委員会 古物商許可 第62229R076686号
公開 2026年9月8日
更新 2026年9月8日
この記事は業者向けです。車買取、中古車販売、整備工場、板金など、すでに自動車の古物商許可をお持ちの事業者に向けて書いています。
先に結論
- すでに古物商許可をお持ちです。区分を足すだけで、貴金属も買えます
- 変更届を出すだけ。手数料はかからないことがほとんどで、新規の40日も不要です
- 車を売る場面は生活の節目です。車以外の物も、そこに出ています
- 1件あたりの粗利が数万円上乗せされます。集客の費用は増えません
車買取業者が持っている3つの強み
他業種から買取に入る事業者の中で、車の買取業者は最も条件が揃っています。
理由は3つです。
持っているもの意味
古物商許可すでにお持ちです。他業種は40日待って新規に取るところから始まります。区分を足すだけで済みます
買い取ることへの慣れ相場を見て、値段を提示して、その場で現金を渡す。この一連の流れが、すでに体に入っています
お客様の家に入る機会出張査定、引き取り、納車。家に上がる、もしくは玄関先まで行く機会が定期的にあります
特に3つ目が大きい。
買取業で最も費用がかかるのはお客様と会うところです。
チラシを撒き、広告を出し、電話を待つ。
車買取業者は、その場面をすでに業務の中で持っています。
車の商談中に、何が出ているか
車を手放す理由を並べると、ほとんどが生活の節目です。
免許の返納
高齢の方が車を手放す場面です。
家の中には、長く使っていない物が溜まっています。
金の指輪、古い時計、切手のアルバム。
そして本人も、処分に困っておられます。
相続・遺品
亡くなった方の車を処分する依頼です。
車だけを処分して終わる家はありません。
家財の片付けが必ず後ろに控えています。
その相談を、こちらが先に受ける位置にいます。
引っ越し・転勤
車を減らす、または手放す場面。
荷物を減らしている最中です。
処分するものが、いま家の中に集められています。
資金が要る
車を現金に換えたい方です。
金額が足りなければ、他にも売れる物を探されます。
その場で見られると、そのまま次の取引になります。
言い方は、ひとつ足すだけです
車の査定が終わったあとに、こう伝えます。
金やブランド品、時計なども買い取っております。
使っていない物があれば、一緒に見させていただきます。
これだけです。訪問の予定も、移動時間も、まったく増えません。
1件あたりの金額がどう変わるか
月に30台を扱う事業者を例にします。
そのうち2割で車以外の買取が発生したとします。
項目金額
車以外の買取が出た件数月6件
1件あたりの粗利25,000円
月の粗利の上乗せ150,000円
年間で180万円です。
広告費は1円も増えていません。
増えたのは、査定のときに聞く一言だけです。
しかも、この形にはもう一つ効果があります。
車の商談そのものが有利になります。
買取が加わると、提示できる総額が上がります
車の査定額が80万円で、お客様は90万円を希望されている。
よくある膠着です。
ここで金と時計を10万円で買い取れば、お客様に渡る金額は90万円になります。
車の値段を無理に上げていないので、こちらの粗利は減りません。
値引きに見えて、値引きではない。これが他社との差になります。
手続きは変更届だけ
古物商許可は13の区分に分かれており、
車の買取業者は通常4番の自動車で許可を受けています。
貴金属やブランド品を扱うには、区分を足します。
許可を取り直す必要はありません。
足す区分扱えるようになるもの
3番 時計・宝飾品類ここが最優先です。金、プラチナ、宝石、時計、眼鏡
11番 皮革・ゴム製品類ブランドバッグ、靴、毛皮
10番 道具類切手、古銭、楽器、運動用具
1番 美術品類骨董、工芸品、絵画
手数料はかからないことがほとんどです
管轄の警察署に変更届を出すだけで、新規申請のような約40日の審査もありません。
区分をいくつ足しても金額は変わらないので、迷ったら多めに申請しておくほうが得です。
申請した区分を扱わなくても、義務は発生しません。
なお、お客様の家に伺って買い取る場合は
行商をすると届け出ている必要があります。
出張査定をしている事業者なら、すでに届け出ているはずですが、
許可証に行商する旨が記載されているか、一度確認してください。
加えて、車以外の物をお客様の家で買い取る場合は
特定商取引法の訪問購入にあたります。
書面の交付と、買ってから8日間の転売禁止が発生します。
自動車は訪問購入の対象外ですが、貴金属やブランド品は対象です。
ここは扱いが変わるので、先に確認しておいてください。
何から始めるか
いきなり全部を扱おうとしないでください。
貴金属だけから始めます。
- 相場が毎日公開されている。売り先の値段が読めるので、買値を計算できます
- 刻印と重さで判断できる。感覚ではなく、手順で値段が出ます
- どの家にも眠っている。覚えた分が、そのまま回数になります
- 換金が速い。買った翌日には売り先に流せるので、在庫が残りません
車の買取と同じで、相場があって、それを見て値段を決める商売です。
考え方は変わりません。違うのは、
目の前の一点が本物かどうかを、自分で確かめる必要があるという点だけです。
車には車検証があり、車台番号があります。
貴金属にはそれがありません。
刻印は偽造できますし、金メッキの品には金の刻印に似た表記が打たれています。
だから最初に身につけるのは相場ではなく、弾き方です。
ここだけは、実物を手に取った回数でしか埋まりません。
よくある質問
- 車買取の許可があれば、貴金属も買い取れますか。
- そのままでは買い取れません。古物商許可は13の区分に分かれており、自動車の区分だけでは貴金属を扱えません。ただし管轄の警察署に変更届を出せば区分を追加でき、許可を取り直す必要はありません。手数料はかからないことがほとんどで、新規申請のような約40日の審査もありません。
- どの区分を足せばいいですか。
- まず3番の時計・宝飾品類です。金、プラチナ、宝石、時計がすべてここに入ります。ブランドバッグを扱うなら11番の皮革・ゴム製品類、切手や古銭なら10番の道具類、骨董なら1番の美術品類です。区分をいくつ足しても手数料は変わらないため、多めに申請しておくほうが得です。
- 車の商談中に買取の話を持ち出しても大丈夫ですか。
- 査定が終わったあとに、金やブランド品も買い取っている旨を伝える形が自然です。訪問の予定も移動時間も増えません。なお、依頼を受けていない品について強く勧誘することは訪問購入の規制に触れる可能性があるため、案内にとどめてください。
- 車以外を家で買い取る場合、何か違いはありますか。
- あります。自動車の四輪は訪問購入の対象外ですが、貴金属やブランド品は対象です。契約書面の交付が必要で、買い取ってから8日間は第三者に引き渡せません。市場にも出せないため、この期間を資金繰りに入れておいてください。
- どれくらいの上乗せが見込めますか。
- 月に30台を扱い、そのうち2割で車以外の買取が発生し、1件あたりの粗利が25,000円とすると、月15万円、年間180万円の上乗せになります。広告費は増えず、査定のときに一言添えるだけです。ただし実際の数字は商圏とお客様の層によって変わります。
- 従業員に査定を覚えさせられますか。
- 貴金属に絞れば可能です。刻印を読み、重さを量り、相場から計算するという手順で組み立てられます。車の査定と同じく、相場を見て値段を決める仕事なので、考え方の切り替えは大きくありません。違うのは、目の前の一点が本物かどうかを自分で確かめる必要がある点だけです。
古物査定の窓口の開業サポート
フランチャイズに入らず、
自分の看板で買取店を開く。
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この記事は2026年9月時点の古物営業法および特定商取引法の内容をもとに書いています。金額は当社および提携店の実例による目安で、商圏や条件によって変わります。区分の追加および届出は管轄の警察署にご確認ください。