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他業種からの参入

骨董・美術品店が、貴金属やブランド品も買う。得意が逆の商売を、足す話です。

骨董の店には、掛軸や茶道具と一緒に、指輪や時計が持ち込まれます。反対に、貴金属やブランド品の買取店には、古い壺や刀が持ち込まれます。骨董店は目利きの店で、買取店は相場の店。得意がちょうど逆なので、足す物もはっきりしています。両方の向きから書きます。

この記事は業者向けです。
骨董品店・美術品店・古道具店の方と、骨董の持ち込みに備えたい貴金属・ブランド品の買取店の方に向けて書いています。

先に結論安場さん
  • 骨董・美術品は1番の美術品類(書画、彫刻、工芸品等)。
    貴金属・時計は3番、バッグは11番です。
    扱うなら変更の届出で区分を足します(古物営業法施行規則第2条・第5条)
  • 相場の出方が逆です。
    金・プラチナは相場が公開されていますが、骨董は品ごとに値段が決まります
  • お客様の家で買えば訪問購入。
    家具や家電は対象外の品ですが、骨董・収集品として取引される品は、家具や家電でも対象と消費者庁の通達は書いています
  • 象牙の製品を売買する事業は、種の保存法の登録(特別国際種事業者)が要ります。
    登録を受けた刀剣を譲り受けたら、20日以内に教育委員会へ届出です(銃刀法第17条)
  • 金や銀でできた骨董は、地金としての値段と、品物としての値段の両方を見ます

骨董店と買取店は、得意が逆

骨董店は品ごとに値段を見立てる目利きの店で、貴金属・ブランドの買取店は公開された相場から値段を出す店です。
だから、足す側に要る物も、それぞれはっきりしています。

骨董・美術品店 作者、時代、出来、来歴。
一点ごとに見立てる力があります。
足りないのは、貴金属の素材の確かめと、ブランド品が当社の査定基準の内か外かを見る目です。
貴金属・ブランドの買取店 相場、刻印、型番。
数字で値段を出す力があります。
足りないのは、相場のない品を見立てる目と、骨董に特有の決まりの知識です。

どちらの店にも、得意でない品は持ち込まれます。
断れば、お客様はその品を持って、別の店に行きます。
受けられる範囲を少し広げるのが、この記事の話です。

区分を足す

骨董・美術品は1番の美術品類で、貴金属・時計は3番、バッグは11番なので、扱う品の区分が許可に入っていなければ届出で足します。
古物営業法施行規則の第2条の区分です(e-Gov法令検索、2026年10月10日確認)。

区分条文に書かれている中身この記事で関わる品
1番 美術品類書画、彫刻、工芸品等掛軸、絵、置物、工芸品
3番 時計・宝飾品類時計、眼鏡、宝石類、装身具類、貴金属類等指輪、ネックレス、腕時計
10番 道具類家具、じゅう器、運動用具、楽器など古道具、家具、器
11番 皮革・ゴム製品類カバン、靴等ブランドバッグ

区分は許可申請書に書く事項で(古物営業法第5条第1項第3号)、変更があったら届け出ます(第7条第2項)。
施行規則では、変更の日から14日以内(登記事項証明書を付ける場合は20日以内)です(施行規則第5条第6項)。
茶道具の金属の器や、金・銀の工芸品など、どの区分で扱うか迷う品は、扱う前に管轄の警察署に確かめてください。

相場の出方が違う

金・プラチナは毎日の相場から重さで値段が出ますが、骨董は同じ品が二つとないので、売り先での値段を品ごとに見立てます。
違いを並べます。

見る所貴金属ブランドバッグ・時計骨董・美術品
値段の元公開された地金の相場同じ型の品の取引の値段品ごとの見立て
確かめること刻印、素材、重さ当社の査定基準の内か外か、付属品、状態作者・時代・出来・傷・来歴
売り先地金商、精錬業者など店頭、業者の市場店頭、業者の市場
換金までの速さ速い品による品による

骨董店から見ると、貴金属は見立てる必要がない分、楽な商材です。
ただし刻印は材質の申告で、保証ではありません。
見方は金の刻印の見方、売り先は金・プラチナの売り先にまとめています。

金や銀でできた骨董は、二つの値段で見る

金の工芸品、銀の器、銀の茶道具。
こうした品には、地金として溶かした場合の値段と、品物として売れる値段の二つがあります。
当窓口では、地金の値段を下の目安にして、品物としての値段がそれより高いかを見る、という順番を勧めています。
骨董の目で見ていた品が、地金の目で見ると違う値段になることがあるからです。

指輪の内側に打たれたK18の刻印
貴金属は、刻印・素材・重さから値段の根拠を取ります。

骨董ならではの決まり

骨董を扱うときに重なる決まりは、訪問購入、象牙の登録、刀剣の届出の3つです。
どれも、条文と公的機関の案内で確かめた範囲で書きます(2026年10月10日確認)。

家具や家電でも、骨董なら訪問購入の対象です

お客様の家など、営業所以外の場所で品物を買う取引は、特定商取引法の訪問購入です(第58条の4)。
政令で、家具、家庭用の電気機械器具(持ち運びが容易な物を除く)、自動車、書籍などは対象外とされています(施行令第34条)。
ところが消費者庁の通達は、骨とう品や収集品として取引されるような物品は、これらに当たりうる物でも、骨とう品・収集品として規制の対象になるとしています。

古い箪笥や、昔の真空管ステレオを、お客様の家で買う。
家具や家電だから決まりの外、とは限らないということです。
書面の交付と、書面を受け取った日から8日間のクーリングオフは出張買取のクーリングオフに整理しています。

象牙の製品を売買する事業は、登録が要ります

象牙の印章などの製品を譲り渡す事業は、種の保存法の特別国際種事業者の登録を受けて行います(種の保存法第33条の6)。
形を保った牙(全形牙)は、個体等の登録を受けた物でなければ、譲渡しや引渡しはできません(同法第12条)。
手続きの窓口は、環境省の案内では、一般財団法人自然環境研究センターです。
古物商許可とは別の登録なので、象牙の製品を扱う前に、登録の要否を確かめてください。

登録を受けた刀剣を譲り受けたら、20日以内に届出です

美術品として価値のある刀剣類は、都道府県の教育委員会が登録をします(銃刀法第14条)。
登録を受けた刀剣類を譲り受けた者は、20日以内に、その登録の事務を行った都道府県の教育委員会に届け出ます(同法第17条第1項)。
刀剣類は、登録を受けた物などの例外を除き、所持が禁じられています(同法第3条)。
登録証が付いていない刀を持ち込まれたら、買わずに警察署に相談してください。

買取店に骨董が持ち込まれたら

相場のない品は、その場で値段を付けず、区分と売り先が決まっている品だけを買います。
貴金属やブランド品の買取店に、掛軸や壺が持ち込まれることがあります。

見立てられない品を、無理に買わない 相場のない品に、相場のある品の感覚で値段を付けると、外れたときの損が読めません。
美術品類の区分が許可に入っていなければ、そもそも扱う前に届出が要ります。
「確認して、後日お伝えします」と言えるようにしておくほうが、信頼を損ないません。

骨董を受けるなら、売り先を先に作ります。
業者の市場には、市場ごとに強い商材と弱い商材があります。
安場さんは、こう話しています。

買取業界専門家・安場さんの回答 古物市場で、損をしやすいところはどこですか。

市場ごとに特色があります。
この商材が強い・弱いというのがあり、経験者はそれを知っています。
知らないだけで、大きな利益の損失が出ます。

時間をかけて損をしながら覚えるのも一つの手ではあります。

骨董は、どの市場に出すかで値段が変わりやすい商材です。
市場の使い方は古物市場とはにまとめています。

始める順番

区分を確かめて足し、扱う品を絞り、骨董に特有の決まりを確かめてから、売り先を決めて始めます。

  1. いまの許可の区分を確かめる 骨董店なら3番・11番、買取店なら1番(古道具や器は10番)が入っているか。
    なければ変更の届出です。
  2. 最初に足す品を絞る 骨董店が足すなら、相場が公開されている貴金属から。
    買取店が足すなら、見立てられる範囲の品だけにします。
  3. 骨董ならではの決まりを確かめる 家で買う骨董は訪問購入。
    象牙は登録。
    刀剣は登録証と20日以内の届出。
    扱う前に、窓口に確かめます。
  4. 売り先を決める 貴金属は地金商や精錬業者、骨董とブランド品は店頭か業者の市場。
    売り先が決まると、買値が計算できます。
  5. 本人確認と台帳の流れを作る 相手の住所・氏名・職業・年齢の確認と、台帳への記録(古物営業法第15条・第16条)。
    やり方は本人確認の方法に。

目利きの店が相場の品を足す。
相場の店が目利きの品に備える。
どちらも、自分の得意でない所を、決まりと売り先から先に固めることが出発点です。

よくある質問

骨董品店が貴金属やブランド品を買い取るには、何が要りますか。
古物商許可に、扱う品の区分が入っている必要があります。
骨董・美術品は1番の美術品類、時計・貴金属・宝石は3番の時計・宝飾品類、バッグは11番の皮革・ゴム製品類です(古物営業法施行規則第2条)。
入っていなければ、変更の届出で足します。
施行規則では、変更の日から14日以内(登記事項証明書を付ける場合は20日以内)です。
お客様の家で古い箪笥を買う場合も、訪問購入の決まりはかかりますか。
かかる場合があります。
家具や持ち運びが容易でない家電は訪問購入の対象外の品ですが(特定商取引法施行令第34条)、消費者庁の通達は、骨とう品や収集品として取引されるような物品は、骨とう品・収集品として規制の対象になるとしています。
骨董として買うなら、書面の交付やクーリングオフの決まりを前提に準備してください。
象牙の置物や印鑑を買い取ってもいいですか。
象牙の製品を譲り渡す事業は、種の保存法の特別国際種事業者の登録を受けて行います(第33条の6)。
形を保った牙(全形牙)は、登録を受けた物でなければ譲渡しや引渡しができません。
古物商許可とは別の登録なので、扱う前に環境省の案内で手続きを確かめてください。
刀を買い取ったら、何か手続きは要りますか。
登録を受けた刀剣類を譲り受けた者は、20日以内に、その登録の事務を行った都道府県の教育委員会に届け出ます(銃刀法第17条第1項)。
刀剣類は、登録を受けた物などの例外を除いて所持が禁じられているため(同法第3条)、登録証が付いていない刀を持ち込まれたら、買わずに警察署に相談してください。
貴金属の買取店に掛軸や壺が持ち込まれたら、どうすればいいですか。
美術品類の区分が許可に入っていなければ、まず扱えません。
入っていても、相場のない品に、相場のある品の感覚で値段を付けると、外れたときの損が読めません。
見立てられない品はその場で値段を付けず、確認して後日お伝えするか、お断りするほうが信頼を損ないません。
金や銀でできた骨董は、どう値段を見ますか。
地金として溶かした場合の値段と、品物として売れる値段の二つがあります。
当窓口では、地金の値段を下の目安にして、品物としての値段がそれより高いかを見る順番を勧めています。
地金の値段は、刻印・素材の確かめ・重さと、公開されている相場から出します。
古物査定の窓口の開業サポート

フランチャイズに入らず、
自分の看板で買取店を開く。

骨董の目利きがあっても、貴金属やブランド品は見る所が違います。
その力と売り先は、始める前に身につけられます。

  • 大阪で5日間。本物と偽物の見分け方から、店を開けるまで
  • 価格は770,000円(税抜)
  • 同じお店から2人目以降の受講は、お1人につき+220,000円(税抜)。面談のうえ、お受けするかを決めます
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お電話でも受け付けています050-1725-9868

この記事は2026年10月10日時点の法令と公的機関の案内をもとに書いています。実際の手続きは、管轄の警察署・環境省の窓口・都道府県の教育委員会にご確認ください。
出典:古物営業法(e-Gov法令検索)(第5条・第7条・第15条・第16条)、古物営業法施行規則(e-Gov法令検索)(第2条・第5条)、特定商取引法(e-Gov法令検索)(第58条の4)、特定商取引法施行令(e-Gov法令検索)(第34条)、消費者庁「特定商取引に関する法律等の施行について」(通達)(骨とう品・収集品の扱い)、種の保存法(e-Gov法令検索)(第12条・第33条の6)、環境省「種の保存法 手続きの窓口」、銃砲刀剣類所持等取締法(e-Gov法令検索)(第3条・第14条・第17条)(いずれも2026年10月10日確認)。
金や銀の骨董を二つの値段で見る順番は当窓口の考え、「買取業界専門家・安場さんの回答」は2026年10月5日に当社が聞き取った内容です。

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