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売り先と仕入れ

せどりに古物商許可は要るのか。その先にある、買取という選択肢。

せどりに古物商許可は要るのか。
買って売るなら、要ります。自分の物を売るだけなら、要りません。
そして許可を取ったあとには、せどりのまま続けるか、一般のお客様からの買取に広げるか、という分かれ道があります。
この記事では、条文で確かめられることと、買取業界専門家・安場さんの見方を分けて、何が変わるのかを整理します。

佐藤さん(開業を検討中)せどりにも古物商許可って要るんですか? 許可があれば買取もできますか?

先に結論安場さん
  • 古物を買って売るなら、許可が要ります。
    自分の物を売るだけなら、要りません
  • 許可を持つと、せどりでも買取でも同じ義務があります。
    買取に広げると、取引の形(店頭・出張・催事)ごとに義務が加わります
  • 広げるかどうかは、義務と、仕入れの置き方で決めます。
    このまま続ける道も、選べます

許可が要る場合・要らない場合

古物営業法は、古物を売買する営業をするには、公安委員会の許可を受けなければならない、と定めています(第3条)。
ただし、古物を売却することだけを行う場合と、自分が売った物をその相手から買い戻すだけの場合は、許可の対象になる営業から外れています(第2条第2項第1号)。

許可が要る 仕入れて、売る(せどり) 古物を買い取って、売る 他人から売却の委託を受けて売る 根拠:古物営業法第2条第2項第1号・第3条
許可が要らない 古物を売却するだけ(自分の物を売る) 自分が売った物を、その相手から買い戻すだけ 根拠:古物営業法第2条第2項第1号

許可がないまま、買って売る営業をすると、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が定められています(第31条)。
仕入れた品が古物にあたるかどうか、迷う場合は、管轄の警察署に確認してください。

許可の取り方は古物商許可の取り方の記事に、仕入れ先の比べ方は古物商の仕入れ先の記事にまとめています。

Yahoo!知恵袋の質問より(2024年7月6日の投稿)

要旨:古物商を取得したあとの仕入れ先を探している。
オークションは難しく、会場で見て仕入れたい。

Yahoo!知恵袋の質問より(2022年5月1日の投稿)

要旨:売れずに止まった在庫があり、リサイクルショップや古物市場に持ち込んで現金化するかを尋ねている。

許可を取ったあとの悩みは、仕入れ先と、売れ残りの在庫に集まっています。
この記事の後半は、その先にある選択肢を書きます。

許可を持つと、元からある義務(せどりでも同じ)

次の義務は、せどりだけの人にもあります。
買取に広げても、増えるのではなく、そのまま続きます。

義務内容
許可 古物を売買する営業には、公安委員会の許可が要ります。
第3条
管理者 営業所ごとに、管理者を1人選任します。
未成年者などはなれません。
第13条
標識 営業所ごとに、公衆の見やすい場所へ、規則で定める様式の標識を掲示します。
第12条第1項
相手方の確認 買い受けるときは、相手の住所・氏名・職業・年齢を確認します。
ネットで個人から仕入れる、顔を合わせない取引でも、確認が要ります。
非対面の確認方法は、施行規則に定められています。
対価の総額が1万円未満などの例外は、買取に広げる側の表で説明します。
第15条第1項・第2項、施行規則第15条・第16条
不正品の申告 不正品の疑いがあると認めるときは、直ちに警察官に申告します。
第15条第3項
帳簿と保存 取引のたびに、年月日・品目・特徴・相手方などを帳簿等に記載し、最終の記載から3年間保存します。
第16条・第18条
ホームページ利用の届出 ネットで古物の情報を公開して取引の申込みを受ける場合は、許可の申請書に、そのURLなどを記載します。
あとから変わったときは、変更の届出をします。
氏名や許可証の番号などをサイトに掲載する義務もあります(規模が著しく小さい場合などの例外は条文を確認してください)。
第5条第1項第6号、第7条第2項、第12条第2項

標識・管理者・確認義務は、せどりでも買取でも同じです。
本人確認と帳簿の書き方は本人確認と台帳の記事にまとめています。

買取に広げると、何が変わるのか

せどりは、市場やネットで売られている品を買います。
買取は、一般のお客様から、直接買います。
同じ許可でも、お客様と会う場所で、加わる義務が変わります。

取引の形加わること
店頭買取 お客様と対面で、身分証明書などを見て確認します。
対価の総額が1万円未満なら、確認は要りません。
ただし、自動二輪車・原動機付自転車、エアコンの室外ユニットとヒートポンプ、家庭用ゲームソフト、光学的方法で音や影像を記録した物、電線、金属製のグレーチング、書籍は、金額に関係なく確認が要ります。
第15条、施行規則第15条第1項・第16条
出張買取 1 許可の申請書に、行商をするかどうかを記載します。
あとから行商を足す場合は、変更の届出をします。
許可証の記載事項にあたるときは、書換えも要ります。
第5条第1項第5号、第7条第2項・第5項
2 本人が行商をするときは許可証を、従業者が行くときは行商従業者証を携帯し、求められたら提示します。
第11条
3 品物を受け取れる場所は、営業所か、お客様の住所または居所に限られます。
第14条第1項
4 訪問購入のルールが加わります。
勧誘に先立つ事業者名などの明示、依頼のない訪問での勧誘や勧誘意思の確認の禁止、契約したときの書面の交付、書面を受け取った日から8日間のクーリング・オフ、その期間内に物品を受け取るときの、引渡しを拒める旨の告知です。
消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問購入」
催事買取 仮設店舗は、行商に含まれます(第5条第1項第5号)。
営業所以外の仮設店舗で受け取る場合は、あらかじめ、その日時と場所を、その場所を管轄する公安委員会に届け出ます。
仮設店舗にも、標識の掲示が要ります。
第14条第1項ただし書、第12条第1項
違反したときの定め 本人確認(第15条第1項)、帳簿の記載(第16条)、保存(第18条第1項)に違反すると、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です(第33条)。
営業所の外などで受け取れない場所で品物を受け取ると、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です(第14条第1項、第32条)。
行商の携帯(第11条)、標識(第12条)、変更の届出(第7条)の違反は、10万円以下の罰金です(第35条)。
また、法令に違反して盗品等の売買等の防止が著しく妨げられるおそれがあると認めるときは、公安委員会は、許可の取消しや、6か月を超えない範囲での営業停止を命じることができます(第24条)。
どの違反で、どの処分になるかは、公安委員会が個別に判断します。

次の2つは、条文や公的ページで確かめられませんでした。
古物市場に参加することが、行商にあたるのか。
自宅を営業所にしたとき、お客様を迎えて買い取ってよいのか。
この2つは、管轄の警察署に確認してください。

出張の8日間の扱いは出張買取のクーリングオフの記事に、行商の許可は古物商の行商の記事にまとめています。
店頭・出張・催事を、お金で比べた記事は店頭・出張・催事。買取の3つの形を、お金で比べる。です。

買取業界専門家・安場さんの見方

ここからは、条文ではなく、買取業界の専門家である安場さんの見方です。

買取業界専門家・安場さんの回答 開業したころの仕入れ先は、どこがいいですか。

開業したころの仕入れは、一般のお客様からの仕入れ、つまり買取です。
それが買取事業の本質です。

古物オークション(業者の市場)から仕入れる方法もあります。
ただ、それをするなら、買取事業はしない方がいいです。
ビジネスモデルがまったく違うからです。

買取事業も参入者が増えて大変ですが、物販の方も業者が増えて買えなくなっています。
ポジショントークにはなりますが、オークション仕入れでの物販は、完全に資金力勝負になります。

物販は、いかに在庫を持つかがポイントです。
買取ビジネスは、いかに在庫を持たずに早く現金化するか、在庫を最小限にできるか。
つまり、弱者でもできるビジネスなのが良いところです。

せどりの人が買取を始めて、つまずくところは。

全くビジネスモデルが違うということです。
同じ古物・中古業界・リユース業界であっても、ビジネスモデルの構造は全く違います。

これは安場さんの見方です。
現金化の早さを、保証するものではありません。
ここから読み取れるのは、2つの商売を半分ずつ混ぜない、ということです。
せどりをやめるべきだ、という話ではありません。
広げるなら、仕入れの中心をどちらに置くのかを、先に決めておく。
そこが分かれ道になります。

偽物への注意

買取に広げると、現物を、お客様から直接受け取ります。
そのとき、偽物が持ち込まれることがあります。

買取業界専門家・安場さんの回答 ブランド品の偽物は、どれくらい持ち込まれますか。

店頭を構えれば、持ち込みの頻度は高くなります。
出店エリアでも変わり、都心部・都会は多く、郊外は少ない印象です。

出張買取は、店頭買取に比べると少ないですが、それでもゼロではありません。
注意が必要です。
小さい店舗を狙ってくる悪い人たちもいます。

頻度は、数字ではなく、安場さんの印象です。
この記事では、数字を作りません。
条文のうえでは、不正品の疑いがあるときは、直ちに警察官に申告します(第15条第3項)。
見分ける力がないまま広げると、買い取ったあとで気づくことになります。

実際に起きた事例と、買取の現場での考え方は偽物を買ってしまったらの記事に、見分ける力の身につけ方は査定の勉強の記事にまとめています。
本業の傍らで試す形は買取を副業で始めるの記事にあります。

判断の手順

許可を取ったあとの道は、3つです。
どれが正しい、ということはありません。
義務と、手間と、仕入れの置き方で決めます。

1 このまま続ける せどりのまま、元からある義務(上の表A)を守って続けます。 確認するのは、標識・管理者・帳簿・ホームページ利用の届出です。 広げる理由が見つからないなら、広げません。
2 出張から試す 店を持たずに、お客様のところへ伺う形です。 先に、許可の申請書の行商の欄、変更の届出、携帯するもの、訪問購入のルールを確かめます。 依頼のない訪問での勧誘は禁止されています。
3 店を持つ 営業所を決め、標識を掲示し、管理者を置き、対面で確認します。 店頭は、偽物の持ち込みの頻度が高くなると、安場さんは話します。 自宅を営業所にできるかは、管轄の警察署に確認します。

どの道でも、先にやることは同じです。
管轄の警察署に、許可証の記載と営業所の扱いを確認する。
そのうえで、3つの形のお金を比べます。

よくある質問

せどりに古物商許可は要りますか
古物を買って売るなら、要ります。
古物営業法は、古物を売買する営業に公安委員会の許可を求めています(第3条)。
ただし、古物を売却することだけを行う場合と、自分が売った物をその相手から買い戻すだけの場合は、許可の対象になる営業から外れています(第2条第2項第1号)。
出典:e-Gov 古物営業法。
自分の不用品を売るだけなら、許可はいりませんか
古物を売却することだけを行う場合は、許可の対象になる営業にあたらないと、条文に定められています(古物営業法第2条第2項第1号)。
仕入れた品を売る場合は別です。
判断に迷うときは、管轄の警察署に確認してください。
出典:e-Gov 古物営業法。
せどりで取った許可のまま、買取もできますか
許可の種類は同じです。
ただし、取引の形で義務が加わります。
出張なら行商の記載と携帯、訪問購入のルール、催事なら仮設店舗の届出です。
自宅を営業所にしたときにお客様を迎えてよいかは、管轄の警察署に確認してください。
出典:古物営業法第5条・第11条・第14条、消費者庁「訪問購入」。
古物商許可を取った後に、やることは何ですか
営業所ごとの標識の掲示(第12条)、管理者の選任(第13条)、取引のたびの帳簿の記載と3年間の保存(第16条・第18条)です。
ネットで取引をするなら、ホームページ利用の届出(第5条第1項第6号、変更は第7条)も要ります。
出典:e-Gov 古物営業法。
古物市場に行って買うのは、行商になりますか
条文と、警視庁・大阪府警の案内では、確かめられませんでした。
行商は、仮設店舗を出すことを含むと定められています(古物営業法第5条第1項第5号)。
市場への参加がどう扱われるかは、管轄の警察署に確認してください。
ブランド品の偽物は、買取でどれくらい持ち込まれますか
数字は示せません。
安場さんの印象では、店頭を構えれば頻度は高くなり、都心部は多く、郊外は少ないとのことです。
出張買取は店頭より少ないものの、ゼロではありません。
条文のうえでは、不正品の疑いがあるときは直ちに警察官に申告します(第15条第3項)。
古物査定の窓口の開業サポート

フランチャイズに入らず、
自分の看板で買取店を開く。

せどりと買取は、同じ許可でも商売の形が違います。
広げるかどうかは、全体の順番を見てから決めても遅くありません。

  • 大阪で5日間。本物と偽物の見分け方から、店を開けるまで
  • 価格は770,000円(税抜)
  • 同じお店から2人目の受講は+220,000円(税抜)。面談のうえ、お受けするかを決めます
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※ 安場さんの見方は、買取業界専門家・安場さん(古物査定の窓口)の回答(2026年10月5日)にもとづきます。
※ 古物営業法(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000108 )、古物営業法施行規則(同 https://laws.e-gov.go.jp/law/407M50400000010 )、警視庁「古物商許可申請をされる方へ」(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kobutsu/kaisetsu/kobutsu_shinsei.html )、大阪府警察「古物商の許可申請」(https://www.police.pref.osaka.lg.jp/tetsuduki/kyoninka/kobutsu/kobutsu/kobutsu_shinki/3684.html )、消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問購入」(https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorpurchases/ )、Yahoo!知恵袋の質問2件(2022年5月1日・2024年7月6日の投稿)の要旨をもとに書いています(2026年10月5日確認)。条文は2026年10月5日にe-Govの法令APIで確認しました。運用は都道府県によって細部が異なり、改正もあります。実際の手続きや取引にあたっては、管轄の警察署の案内および専門家にご確認ください。

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